平成30年度社会保険労務士試験「選択式」解答・短評

【選択式】

この解答は、速報段階(平成30年8月26日18時現在)のものであり、後日変更する場合があります。また、試験機関による解答について保証するものではありません。

問1.労働基準法及び労働安全衛生法
A.⑦ 1か月(労働基準法21条1号)
B.② 30分(労働基準法67条)
C.⑪ 功労報償(三昇社事件 最判昭和48.1.19)
D.⑯ デザイン(労働安全衛生法2条5号)
E.⑳ ろ過材及び面体を有する防じんマスク(労働安全衛生法44条の2第1項、同令14条の2第5号)
〔短評〕
AとBは、基本事項であり平易。Cは、判例からの出題であるが、選択肢中、他に適当な語句がないことから比較的平易。Dは、特有の用語であったため、やや難。Eは、型式検定の対象となる機械名を問う問題であったため、やや難。
確実に3点、出来れば4点を確保したい。

問2.労働者災害補償保険法
A.④ 労働保険事務組合(法33条1号)
B.② サービス業(則46条の16)
C.④ 25,000円(則46条の20第1項)
D.④ 林業(則46条の17第4号)
E.③ 個人タクシー事業者(則46条の22の2)
〔短評〕
Aは、基本事項であり平易。Bの業種区分は徴収法にも同様のものがあり、比較的平易。Cは、基本事項であり平易。Dは、一人親方の対象業種を問うもので、やや難。Eは平易、文脈から選択肢を選ぶこともできる。
確実に3点、出来れば4点を確保したい。

問3.雇用保険法
A.⑤ 15日(法14条1項)
B.④ 11日(法14条1項)
C.⑮ 2分の1箇月(法14条1項)
D.⑲ 5年(法61条の2第1項)
E.⑪ 100日(法61条の2第1項)
〔短評〕
A~Cは、平易。DとEは、やや細かい数字を問うものであったが比較的平易。
確実に3点、5点満点も可能。

問4.労務管理その他労働に関する一般常識
A.② 1.26(平成27年人口動態統計の概況)
B.⑯ 東京都(平成27年人口動態統計の概況)
C.⑫ 次世代育成支援対策推進法(次世代育成支援対策推進法附則1条)
D.⑤ 101人(次世代育成支援対策推進法12条1項)
E.⑭ 生産年齢人口(総務省・人口統計)
〔短評〕
Aは、合計特殊出生率に関する重要な数値であるが、やや難。Bは、難。Cは、前後の文章から平易。Dは、基本事項であり平易。Eは、統計用語の定義を問うもので、やや難。
3点は得点したい。

問5.社会保険に関する一般常識
A.② 3年(介護保険法129条3項)
B.⑭ 35,000円(児童手当法6条1号イ)
C.⑲ 脱退一時金(確定給付企業年金法29条1項)
D.⑩ 60歳以上65歳以下(確定給付企業年金法36条2項)
E.⑦ 50歳未満(確定給付企業年金法36条2項、同令28条)
〔短評〕
Aは、基本事項であり平易。Bは、やや難。Cは、基本事項ではあるが、やや難。DとEは、確定給付企業年金の支給要件である(1)老齢又は(2)退職に係る年齢を問うものであったため、難。
A~Cで3点を確保したいが、2点救済の可能性もあり。

問6.健康保険法
A.⑭ 疾病構造の変化(法2条)
B.⑦ 運営の効率化(法2条)
C.⑬ 質の向上(法2条)
D.③ 以前42日(法102条1項)
E.⑩ 後56日(法102条1項)
〔短評〕
A~Cは、「基本的理念」の条文問題だが、毎年、選択式出題の候補に上がるものであり、このうち2つは正解したい。DとEは、基本事項であり平易。
確実に3点、出来れば4点を確保したい。

問7.厚生年金保険法
A.⑭ 納入の告知又は納付の日の翌日から6か月(法83条2項)
B.⑮ 被保険者から徴収された保険料(法79条の2)
C.⑲ 専ら厚生年金保険の被保険者(法79条の2)
D.⑧ 至った日の翌日の属する月の前月(法26条1項)
E.① 1年以内(法26条1項)
〔短評〕
Aは、択一式の定番論点であり平易。BとCは、「積立金の運用」の条文問題だが、毎年、選択式出題の候補に上がるものであり、2つとも正解したい。Dは、問題文の書き出しに「3歳に満たない子」とあることから類推可能だが、⑥と迷うところ。Eは、細かい数字を問うもので、やや難。
3点は確実に得点したい。

問8.国民年金法
A.⑰ 毎月(則18条1項)
B.⑲ 老齢基礎年金の受給権者に対し、当該受給権者に係る個人番号の報告(法18条2項)
C.⑯ 納付猶予(法109条の2第1項、平成16年法附則19条の2)
D.⑤ 1,000分の7(法28条4項、同令4条の5第1項)
E ⑬ 取得した日の属する月から当該年金の支給の繰下げの申出をした日の属する月の 前月までの月数(当該月数が60を超えるときは、60)(法28条4項、同令4条の5第1項)
〔短評〕
AとBは、細則からの出題であり、やや難。DとEは、基本事項であり平易。
3点は確実に得点したい。

【全体講評】
全く手が付けられないといった問題がなく、一方で極端に平易な問題もあり、全体的な難易度は低い。ただし、「社会保険に関する一般常識」は、基準点(3点)を確実に得点することが難しい内容であった。合格ラインは、26点前後と予想する。