社会保険労務士試験・論点ファイル

科目:労災保険法
項目:療養(補償)給付等

1.療養の給付については、診察、薬剤又は治療材料の支給等一定の範囲(6項目)が定められているが、その範囲内であっても「政府が必要と認めるもの」に限られる。

●過去問(平成21年度出題)
療養の給付の範囲は、①診察、②薬剤又は治療材料の支給、③処置、手術その他の治療、④居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護、⑤病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護、⑥移送のほか、政府が療養上相当と認めるものに限られる。(×)

2.療養(補償)給付の請求書は、「療養の給付」に関しては指定病院等を経由して所轄労働基準監督署長に提出しなければならず、「療養の費用の支給」に関しては直接所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

●過去問(平成20年度出題)
療養補償給付又は療養給付の請求書は、療養の給付又は療養の費用のいずれについても、療養を受ける病院、診療所等を経由し所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。(×)

3.療養の費用を支給する場合には、①療養の給付をすることが困難な場合(政府側の事情)と②療養の給付を受けないことにつき相当の理由がある場合(労働者側の事情)があるが、いずれにしても、療養の給付と療養の費用の支給のいずれかを受けるかは、労働者の選択に委ねられているわけではない。

●過去問(平成21年度出題)
療養補償給付は、療養の給付として行われることを原則とするが、療養の給付を行うことが困難である場合のほか、労働者が指定病院等でない病院等であっても当該病院等による療養を望む場合には、療養の給付に代えて療養の費用が支給される

4.リハビリテーション医療は、療養(補償)給付の一環として行われる。

●過去問(平成15年度出題)
労災保険におけるリハビリテーション医療とは、業務上の事由又は通勤による傷病により療養中の労働者に対して当該傷病に係る本来の治療に加え、疾病別リハビリテーション等を個々の症例に応じ総合的に実施して、労働能力の回復を図り職場復帰への医学的指針を与えるまでの一連の行為をいい、療養補償給付又は療養給付の一環として行うものである。(〇)

5.業務上の事由又は通勤による傷病が再発した場合には、当該業務上の事由又は通勤による傷病として再び療養(補償)給付等を受けることができる。

●過去問(平成19年度出題)
業務上の疾病が治って療養の必要がなくなった場合には、その後にその疾病が再発しても、新たな業務上の事由による発病でない限り、業務上の疾病とは認められない。(×)