週間「超ミニ本試験」第4回/②解答・解説

【労災保険法】

1.心理的負荷による精神障害の認定基準においては、うつ病エピソードを発病した労働者がセクシュアルハラスメントを受けていた場合の心理的負荷の程度の評価は、その労働者がその出来事及び出来事後の状況が持続する程度を主観的にどう受け止めたかで評価される。

× の場合の強い心理的負荷とは、精神障害を発病した労働者がその出来事及び出来事後の状況が持続する程度を「主観的に」どう受け止めたかではなく、同種の労働者が「一般的に」どう受け止めるかという観点から評価されるものであり、「同種の労働者」とは職種、職場における立場や職責、年齢、経験等が類似する者をいう。(令和5.9.1基発0901第2号)テキストP208

2.療養の給付は、社会復帰促進等事業として設置された病院若しくは診療所又は都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所においてのみ行われる。

× 療養の給付は、社会復帰促進等事業として設置された病院若しくは診療所又は都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所、薬局若しくは指定訪問看護事業者において行われる。(則11条1項)テキストP223

3.労働者の死亡前に、当該労働者の死亡によって障害補償年金差額一時金を受けることができる遺族となるべき者を故意に死亡させた者は、障害補償年金差額一時金を受けることができる遺族としない。

× 労働者の死亡前に、当該労働者の死亡によって障害補償年金差額一時金を受けることができる先順位又は同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者は、障害補償年金差額一時金を受けることができる遺族としない。後順位者を故意に死亡させても欠格しない。(法附則58条5項)テキストP239

「先・同さんは」「殺しちゃダメよ」(だって、舟を漕い(故意)でいるんだもの)

4.傷病補償年金の支給事由となる障害の程度は、厚生労働省令の傷病等級表に定められており、厚生労働省令で定める障害等級の第1級から第3級までの障害と均衡したものであって、年金給付の支給日数も同様である。

〇 (法12条の8第3項、18条、則18条、則別表第1、第2)テキストP229、232

5.年金たる保険給付を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金たる保険給付が支払われたときは、その支払われた年金たる保険給付の当該減額すべきであった部分は、その後に支払うべき年金たる保険給付の内払とみなすことができる。

〇 年金の内払の規定である。(法12条1項)テキストP258

6.いわゆる第三者行為災害に係る「求償」は、災害発生後5年以内に支給事由が生じた保険給付であって、災害発生後5年以内に支給したものについて行う。「控除」は、災害発生後7年以内に支給事由が生じた保険給付であって、災害発生後7年以内に支払うべきものを限度として行う。

〇 (令和2.3.30基発第33号)テキストP263

「きゅうしょう⇒6文字+5年=11」「こうじょ⇒4文字+7年=11」

7.海外派遣者に係る特別加入は、新たに日本国内から派遣される場合にのみ認められ、既に日本国内から外国に派遣されて事業に従事している労働者を特別加入させることはできない。

× 海外派遣者として特別加入できるのは、新たに派遣される者に限らない。したがって、既に海外の事業に派遣されている者を特別加入させることも可能である。ただし、現地採用者は、海外派遣者特別加入制度の趣旨及びその加入の要件からみて、特別加入の資格がないとされている。(昭和52.3.30基発192号)テキストP281

【労働保険徴収法】

8.林業の事業で、労災保険関係が成立している暫定任意適用事業の事業主が当該事業を廃止した場合には、当該労災保険暫定任意適用事業に係る保険関係の消滅を申請することにより、所轄都道府県労働局長の認可があった日の翌日に、その事業につき労災保険に係る労働保険の保険関係が消滅する。

× 保険関係が成立している事業が廃止されたときは、その事業についての保険関係は、その翌日に消滅するため、設問の場合、保険関係消滅申請書の提出は不要である。(法5条、整備法8条)テキストP390

9.労災保険率を決定する際の事業の種類に関し、労働者派遣事業における事業の種類は、派遣労働者の派遣先での作業実態に基づき決定され、必ずしも「その他の各種事業」になるものではない。

〇 なお、派遣労働者の派遣先での作業実態が数種にわたる場合には、主たる作業実態に基づき事業の種類を決定することとし、この場合の主たる作業実態は、それぞれの作業に従事する派遣労働者の数、当該派遣労働者に係る賃金総額等により判断するものとされている。(法12条、昭和61.3.30発労徴41号、基発383号)テキストP400

10.継続事業の一括の認可があった場合には、雇用保険被保険者資格取得届の所轄公共職業安定所長への提出など雇用保険の被保険者に関する事務については、認可後は、原則として、指定された一の事業で一括して行うこととされている。

× 継続事業の一括の認可があった場合であっても、雇用保険の被保険者に関する届出の事務等は、個々の事業所ごとに行わなければならない。(行政手引22003)テキストP391