週間「超ミニ本試験」第6回/②解答・解説

【労災保険法】

1.業務上の疾病が治って療養の必要がなくなった場合には、その後にその疾病が再発しても、新たな業務上の事由による発病でない限り、業務上の疾病とは認められない。

× 業務上の疾病の再発は、原因である業務上の疾病の連続であると解されており、新たな業務上の事由による発病でなくても、業務上の疾病と認められる。(昭和23.1.9基災発13号)テキストP200

2.年金たる保険給付の額の算定に用いられる給付基礎日額には、原則として、平均賃金に相当する額が用いられるが、 毎月勤労統計における労働者1人当たりの平均給与額が給付基礎日額の算定事由発生日の属する年度における平均給与額の100分の110を超え、又は100分の90を下るに至った場合は、その上下した比率を基準として厚生労働大臣が定める率を平均賃金に相当する額に乗じてスライドさせた額が、算定事由発生日の属する年度の翌々年度の8月以降の給付基礎日額として用いられる。

× 年金給付基礎日額のスライドは、平均給与額の変動幅にかかわらず、適用される。(法8条の3第1項)テキストP220~221

3.業務上の事由による負傷が治った後に義肢の装着のため再手術、機能回復訓練等を行うために休業する場合には、療養のため労働することができない場合に該当しないので、休業補償給付は、支給されない。

〇 患部の治ゆ後に行う義肢の装着は、療養の範囲に属するものではないから、義肢装着のための休業に対しては休業補償給付は行われない。(法14条、昭和24.2.16基収275号)テキストP224

4.介護補償給付は月を単位として支給されることとされており、常時介護を要する被災労働者については、その月に費用を支出して介護を受けた日がある場合、原則としてその費用として支出された額が支給されるが、その額は、親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がないときであっても、最低保障額が保障される。

× 常時介護を要する被災労働者について、「親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がないとき」には、介護補償給付の最低保障額の適用はなく、その費用として支出された額(最高限度額あり)が支給される。(法19条の2、則18条の3の4第1項)テキストP251

5.事業主からの民事損害賠償が行われる場合において、当該事業主が保険給付の上積みとして独自に行う災害補償については、保険給付と重複するものでない限り、これによって保険給付の調整が行われることはない。

〇 (法附則64条2項、昭和56.6.12発基60号)テキストP263~264

6.休業特別支給金の支給の対象となる日について休業給付を受けることができる者は、当該休業特別支給金の支給の申請を、当該休業給付の請求と同時に行わなければならない。

〇 傷病特別支給金及び傷病特別年金を除き、特別支給金の申請はそれぞれに対応する保険給付を受けることができるときは、当該保険給付の請求と同時に行わなければならないこととされている。(特別支給金支給規則3条5項)テキストP268

7.特別加入保険料が滞納されている期間中に当該特別加入者について生じた事故に係る保険給村については、政府は、その全部又は一部を行わないことができる。

〇 特別加入者については、設問の場合であっても、法31条に規定する事業主からの費用徴収は行わず、保険給付の支給を制限することとしている。(法34条1項4号、35条1項7項、36条1項3号)テキストP283

【労働保険徴収法】

8.労災保険の保険関係が成立している有期事業にあっては、事業の予定される期間に変更が生じたときは、その変更が生じた日の翌日から起算して10日以内に、名称・所在地等変更届を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

〇 (法4条の2、則5条)テキストP389

9.①都道府県及び市町村の行う事業、②都道府県に準ずるもの及び市町村に準ずるものの行う事業、③港湾労働法2条2号の港湾運送の行為を行う事業、④農林、畜産、養蚕又は水産の事業、並びに⑤建設の事業については、当該事業を労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなして徴収法を適用する。

〇 なお、国の行う事業は、労災保険に係る保険関係が成立する余地がないため、二元適用事業とはされていない。(法39条1項、則70条、労災保険法3条2項)テキストP386

「逃げ(二元)ろ!」「ト(都道府県)シ(市町村)コ(港湾運送)ノリス(農林水産)ケ(建設)」

10.有期事業の一括が行われている立木の伐採の事業について、一括されている事業の一つについて素材の見込生産量が1,000立法メートル以上となったときは、事業主は、当該日から10日以内に、当該事業に係る保険関係成立届を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

× そのような規定はない。一括された個々の事業については、その後、事業の規模の変更等があった場合でも、あくまで当初の一括扱いによることとし、新たな独立の事業としては扱わない。(昭和40.7.31基発901号)テキストP392