週間「超ミニ本試験」第8回/②解答・解説
【労災保険法】
1.給付基礎日額については、厚生労働省令で定める年齢階層ごとに厚生労働大臣が最低限度額又は最高限度額を定めており、休業(補償)等給付又は年金たる保険給付を支給すべき事由が生じた時期にかかわらず、その額の算定に用いられる給付基礎日額が当該最低限度額に満たず、又は当該最高限度額を超える場合には、この最低限度額又は最高限度額が当該休業補償給付等又は年金たる保険給付の額の算定基礎として用いるべき給付基礎日額となる。
× 休業給付基礎日額に係る年齢階層別の最低・最高限度額は、休業(補償)等給付に係る療養を開始した日から起算して1年6か月を経過した日以後において、適用される。(法8条の2第2項)テキストP219~220
2.労働者又は労働者の遺族(遺族となるべき者を含む。)を故意又は重大な過失により死亡させた遺族は、遺族(補償)等給付又は葬祭料・葬祭給付等を受けることができない。
× 労働者等を故意に死亡させた場合には、遺族(補償)等給付を受けることのできる遺族としないとされているが、重大な過失により死亡させた場合は、設問の規定は適用されない。また、葬祭料・葬祭給付等については、設問のような規定は設けられていない。(法16条の9ほか)テキストP241
3.傷病補償年金の受給者の障害の程度が軽くなり、傷病等級表に定める障害に該当しなくなった場合には、当該傷病補償年金の支給は打ち切られるが、なお療養のため労働することができないため賃金を受けない状態にある場合には、政府が労働者の請求を待たず職権で休業補償給付の支給を決定する。
× 休業補償給付の支給については、労働者の請求を必要とする。設問の場合であっても同様である。(法14条、12条の8第2項)テキストP224
4.障害補償給付を受ける者の障害の程度について自然的経過により変更があった場合には、新たに該当することとなった障害等級に応ずる障害補償給付が支給され、その後は、従前の障害補償給付は支給されない。
× 障害補償年金を受ける者の障害の程度について自然的経過により変更があった場合には、新たに該当することとなった障害等級に応ずる障害補償給付が支給され、その後は、従前の障害補償年金は支給されない。設問の自然的経過による変更は、障害補償一時金を受ける者については、その対象とならない。(法15条の2、昭和41.1.31基発73号)テキストP236
5.遺族補償年金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき遺族補償年金で未だその者に支給しなかったものがあるときは、当該遺族補償年金を受けることができる他の遺族は、自己の名で、その未支給の遺族補償年金の支給を請求することができる。
〇 なお、遺族補償年金を受けることができる「他の遺族」とは、死亡した受給権者と同順位の受給権者がいれば、その同順位者であり、同順位者がいなくて後順位者がいるときは、転給により受給権者となった次順位者のことである。(法11条1項)テキストP255~256
6.事業主から民事損害賠償が行われた際の障害補償年金の支給調整は、障害補償年金前払一時金の最高限度額が支給されたと仮定した場合に、それに見合う年金が停止される期間の終了する月から起算して9年を経過する日までの期間、又は就労可能年齢を超えるに至るまでの期間のうち、どちらか短い期間の範囲で行う。
〇 (法附則64条2項)テキストP264
「9(就)労可能年齢」
7.傷病特別支給金は、労働者からの申請に基づき傷病等級に応じて100万円~114万円の一時金として支給されるが、傷病特別支給金を受けた労働者の当該負傷又は疾病が治ゆした場合において、身体に障害が残った場合には、当該障害の該当する障害等級に応ずる障害特別支給金が支給される。
× 傷病特別支給金の支給を受けた者に対しては、当該傷病特別支給金に係る業務上の事由又は通勤による負傷又は疾病が治ったとき身体に障害があり、当該障害の該当する障害等級に応ずる障害特別支給金の額が当該負傷又は疾病による障害に関し既に支給を受けた傷病特別支給金に係る傷病等級に応ずる傷病特別支給金の額を超えるときに限り、その者の申請に基づき、当該超える額に相当する額の障害特別支給金を支給することとされている。(特別支給金支給規則4条3項)テキストP268
【労働保険徴収法】
8.事業主(社会保険適用事業所の事業主に限る。)が所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に対して行う保険関係成立届、名称・所在地等変更届又は代理人選任・解任届であって、継続事業(労働保険事務組合に労働保険事務処理が委託されているものを除く。)に係るものの提出は、年金事務所を経由して行うことができる。
〇 なお、保険関係成立届、名称、所在地等変更届又は代理人選任・解任届を年金事務所経由で提出することができる事業主は、①継続事業であること、②労働保険事務組合に労働保険事務の処理が委託されていないこと、③社会保険適用事業所であること、のすべての要件を満たしている事業の事業主である。(則75条2項)テキストP388~389(未記載)
9.雇用保険の適用事業が雇用保険暫定任意適用事業に該当するに至ったときは、その翌日に、その事業につき任意加入の認可があったものとみなす。
〇 (法附則2条4項)テキストP389
10.事業主が同一人である二以上の継続事業については、一の都道府県内において行われるものに限り、当該事業主が当該二以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることにつき都道府県労働局長の認可を受けたときは、徴収法の適用については、当該認可に係る二以上の事業に使用される労働者は、これらの事業のうち都道府県労働局長が指定するいずれか一の事業に使用される労働者とみなされ、また、当該一の事業以外の事業に係る保険関係は、消滅する。
× 継続事業の一括については、一括の対象となる事業について地域制限は設けられていない。(法9条、則10条)テキストP394