Pickup白書5(令和7年版厚生労働白書)

・令和6(2024)年財政検証と今後の見通し

令和6(2024)年財政検証では、幅の広い4ケースの経済前提を設定し、どのような経済状況の下ではどのような年金財政の姿になるのかということを幅広く示し、また、一定の制度改正を仮定したオプション試算を行うことで、持続可能性や年金水準の確保のためにどのような対応があり得るのかなどを検証した。

この結果、近年の女性や高齢者の労働参加の進展、積立金の運用が好調であったことにより、前回2019(令和元)年財政検証と比べて将来の給付水準が上昇し、1人当たり成長率をゼロと見込んだケース以外では、今の年金制度の下で、将来的に所得代替率50%の給付水準が確保できることが確認された。また、令和6(2024)年財政検証において初めて実施した年金額の分布推計では、若年世代ほど労働参加の進展により厚生年金の被保険者期間が延伸し、年金額の増加に寄与することが確認された。