本日の受験弁当
〔問1〕択一式定番問題(労働基準法)
年次有給休暇は、6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に与えられるが、この場合の「全労働日」には、就業規則その他で所定休日とされた日に出勤して労働した日が含まれる。
〔問2〕判例選択式(労働基準法)
最高裁判所は、「就業規則に基づく健康診断受診命令に労働者は従わなければならないか」という点をめぐって、次のように判示した。
「就業規則が労働者に対し、一定の事項につき使用者の業務命令に服従すべき旨を定めているときは、そのような就業規則の規定内容が【 A 】限りにおいて当該具体的【 B 】の内容をなしているものということができる。」
- 選択肢A
①法令を遵守している ②社会通念上相当である ③合理的なものである ④公序に反しない
- 選択肢B
①行動規範 ②服従義務 ③労働契約 ④履行義務
〔答1〕× 休日労働した日は、全労働日に含まれない。「全労働日」に含まれない日は、以下のとおりである。(労働基準法39条1項、平成25年基発0710第3号)
(1)不可効力による休業日
(2)使用者側に起因する経営、管理上の障害による休業日
(3)正当な争議行為により労務の提供が全くなされなかった日
(4)所定の休日に労働した日
(5)代替休暇を取得して終日出勤しなかった日
〔答2〕A:③合理的なものである B:労働契約(最判昭和61年「電電公社帯広電報電話局事件」)
【電電公社帯広電報電話局事件】
1.事案概要
Xは、公社Aの職員で頸肩腕症候群と診断されていた。公社Aは、就業規則の規定に基づき、頸肩腕症候群総合精密検診の受診命令を発したが、Xは「そのような規定には同意していない(労働契約の内容にはなかった)」としてこれに従わなかったので、Xを懲戒戒告処分にした。Xがこの処分の無効を求めて訴えた事案。
2.試験対策上の論点
(本人の個別同意がない)就業規則に基づく健康診断受診命令に労働者は従わなければならないか。
3.試験対策上の結論
従わなければならない。(就業規則が労働者に対し、一定の事項につき使用者の業務命令に服従すべき旨を定めているときは、そのような就業規則の規定内容が合理的なものであるかぎりにおいて具体的労働契約の内容をなす。)
4.択一式出題例(平成17年度)
就業規則が労働者に対し、一定の事項につき使用者の業務命令に服従すべき旨を定めているときは、そのような就業規則の規定内容が合理的なものであるかぎりにおいて当該具体的労働契約の内容をなしているものということができる、というのが最高裁判所の判例の考え方である。
〔答〕○