択一式定番問題・第7回
第7回は、「一般常識(30問)」です。今まで同様、すべて「誤り」の問題(過去問ベースの問題)です。
その前に、「プレッシャー」について一言。日増しにプレッシャーを感じていらっしゃることと思います。でも、プレッシャーが大きければ大きいほど、より合格に近づいていると信じてください。最初から勝てないと分かっている戦いにプレッシャーはやってきません。勝つ可能性があるからこそのプレッシャーです。ここは「プレッシャーよ、ドンと来い」の心境で乗り切っていきましょう!
あ、ついでに思い出してください。
「肩(型)にプレッシャー」
型式検定の機械の一つ・・・プレス機械又はシャーの安全装置
「ど~んと(don’t)来い(故意)」
給付制限等の規定で、シンプルに「故意に」とあったら、文末は完全否定となる。(支給しない、消滅する、行わない、など)
では、問題スタートです。一般常識(法令)は、数が多く、それぞれ奥が深いものなので、問題を見る前にもう一度「その法律の趣旨」を確認してください。それで直接問題が解けるわけではありませんが、コンパスの役割は果たすと思います。
【最低賃金法】労働者の生活の安定等のために、時間当たりの最低賃金額を定め、その厳守徹底を目的とする法律
問1 派遣中の労働者については、当該派遣元の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金が適用される。
答1 派遣中の労働者については、当該「派遣先」の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金が適用される。(最低賃金は、「働く仲間と一緒」です。)
【中小企業退職金共済法】
中小企業の退職金制度を国が助成することで、退職金制度導入促進等労働者の福利厚生の充実を目的とする法律
問2 独立行政法人退職金共済機構が運営する中小企業退職金制度では、退職した日において60歳以上であり、退職金額が一定額以上である被共済者は、支給される退職金を分割して受給することができるが、当該被共済者は、その場合の受給期間として10年間又は20年間のいずれかを選択することができる。
答2 「10年間又は20年間」ではなく、「5年間又は10年間」である。(分割支給の場合の退職金の支給期月は、毎年2月、5月、8月及び11月とされています。「分割するけど、都合はいい(2・5・8・11)?」「ご自由(5・10)に」です。)
【賃金支払確保法】
倒産等による未払賃金の立替払いを行うなど労働者の賃金が確実に支払われるようにすることを目的とする法律
問3 賃金の支払の確保等に関する法律では、就業規則等で労働者に退職手当を支払うことを明らかにした事業主は、企業の倒産となどによる未払いの防止を図るために、一定の額について所定の保全措置を講じなければならない。
答3 「保全措置を講じなければならない」ではなく、「保全措置を講ずるように努めなければならない」である。なお、貯蓄金の保全措置は事業主の義務であるが、退職手当の保全措置は事業主の努力義務とされている。(貯蓄金は労働者のお金、退職手当の原資は会社のお金だからですね。)
【労働時間等設定改善法】
ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、柔軟な(労働者一人ひとりの健康と生活に配慮した)労働時間制度等の導入を促進することを目的とする法律
問4 労働時間等設定改善委員会は、労働基準法に規定されているすべての労使協定について、代替決議を行うことができる。
答 労働基準法に規定されている14の労使協定のうち、(1)年次有給休暇の賃「金」、(2)委託貯「金」、(3)賃「金」の一部控除、については、代替決議を行うことはできない。(「鐘(金)3つ・のど自慢優勝」はできません。)
【男女雇用機会均等法】
募集・採用・雇用ステージにおける男女の格差解消(男女均等)と女性労働者の母性保護を目的とする法律
問5 使用者は、妊娠中の女性労働者が母子保健法の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるように努めなければならない。
答5 使用者は、妊娠中の女性労働者が母子保健法の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならない。(いわゆる「通院時間」の規定ですが、一般常識お得意の「文末論点」です。この論点で迷ったときには、「この話が果たして努力義務でいいのか、あるいは、義務で大丈夫なのか」を考えてみてください。)
【育児介護休業法】
育児・介護をしながら働き続ける労働者に対して、育児休業・介護休業等の各種制度を設け、離職の予防・再就職の援助等を図ることを目的とする法律
問6 育児介護休業法では、「労働者は、対象家族1人につき、1回に限り、連続したひとまとまりの期間で最長93日まで、介護休業を取得することができる。」と定めている。
答6 介護休業は、対象家族1人につき、通算93日まで、3回を上限として(分割して)取得することができる。(「通算、く~さん(93)、熊のプーさん(3)」ですね。)
【パートタイム労働法】
パートタイム労働者の労働条件(賃金、教育訓練、福利厚生など)の適正化(通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保)を図ることを目的とする法律
問7 事業主は、常時30人以上の短時間労働者を雇用する事業所ごとに、パートタイム労働指針に定める事項その他の短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項を管理させるため、短時間雇用管理者を選任するように努めるものとする。
答7 「常時30人以上」ではなく、「常時10人以上」である。(「テン(短)時間雇用管理者」です。文末(努力)にも気をつけてください。)
【次世代支援対策推進法】
企業等に子育て支援計画の策定を義務づけ、ワーク・ライフ・バランスのより一層の実現と少子化解消を目的とする法律
問8 国及び地方公共団体以外の事業主(以下「一般事業主」という。)であって、常時雇用する労働者の数が100人以上のものは、一般事業主行動計画の策定が義務付けられており、100人未満のものは一般事業主行動計画の策定が努力義務となっている。
答8 「100人以上」ではなく「100人を超える」、「100人未満」ではなく、「100人」以下である。(子どもは元気、「パンツいっちょ(1・超)」です。)
【労働施策総合推進法】
我が国における労働施策の基本方針等を定めた法律(働き方改革の基本法としての役割を果たすため、従前の雇用対策法を平成30年7月6日に拡充・改称して施行)
問9 事業規模の縮小等により1か月以内に30人以上の労働者を離職させた事業主は、その最後の離職が生じた後、遅滞なく、その旨を公共職業安定所長に届け出なければならない。
答9 設問の「大量雇用変動届(大量離職届)」は、その変動に係る最後の離職が生じる日の少なくとも1か月前までに行わなければならない。(この届出は、「うちの会社からたくさんの失業者が出る」ことを、ハローワークに事前にお知らせするためのものだからです。)
【労働者派遣法】
派遣元事業主及び派遣先事業主に派遣就労を適正なものとするための規制を行うことにより、派遣労働者の保護を図ることを目的とする法律
問10 紹介予定派遣は、労働者派遣のうち、労働者派遣事業と職業紹介事業の双方の許可を受け又は届出をした者が、派遣労働者と派遣先との間で、雇用関係の成立のために職業紹介を行い、又は行うことを予定してするものである。この場合、同一の派遣労働者についての派遣受入期間は3か月を超えてはならない、と労働者派遣法で定められている。
答10 紹介予定派遣における同一の派遣労働者の派遣期間は、「6か月以内」とされている。(「紹介予定派遣=6文字=6か月」です。)
【高年齢者等雇用安定法】
高年齢労働者の就業機会を確保し600歳から65歳までの高年齢者雇用確保措置を義務づけること等によりその雇用の安定を図ることを目的とする法律
問11 高年齢者等雇用安定法2条1項において、「高年齢者」とは、厚生労働省令で定める年齢以上の者をいう、とされ、当該厚生労働省令で定める年齢は60歳と定められている。
答11 「60歳」ではなく、「55歳」である。(「高・5(こう)・5(こう)」ですね。)
【障害者雇用促進法】
企業に対して障害者の雇用義務を課し、障害者が働きやすい雇用・職場環境を形成することを目的とする法律
問12 障害者の法定雇用率未達成の事業主(常時100人以上の労働者を雇用するものに限る。)は、障害者雇用納付金として、公共職業安定所長に不足一人につき月額5万円を納める義務を負う。
答12 「公共職業安定所長」ではなく、「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」である。また、常時100人を超え200人以下の労働者を雇用する事業主は、令和2年3月までの間、月額4万円に減額される。(納(NO!)付金は、障害者の方が雇ってもらえず「困っ(50)ています」ですが、経過措置の「弱っ(40)ています」にも気をついて。なお、ご褒美の方は、「雇用をつな(27,000円)ぐ調整金」です。)
【労働組合法】
憲法28条に規定する労働者の団結権・団体交渉権・団結行動権(労働三権)を保障し、組合活動を保護することを目的とする法律
問13 ある工場において、常時使用される同種の労働者の3分の2以上の労働者が、同一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、同じ工場で使用される非組合員である同種の労働者にも、当該労働協約が適用されることになる。
答13 「3分の2以上」ではなく、「4分の3以上」である。
【個別労働関係紛争解決促進法】
個々の労働者と事業主との間の労働条件等に関する紛争を「あっせん」などによって解決することを目的とする法律
問14 個別労働関係紛争解決促進法において、解雇、労働条件の変更等に関する個々の労働者と事業主との間の紛争はこの法律の対象になるが、労働者の募集及び採用に関する個々の求職者と事業主との間の紛争はこの法律の対象にならない。
答14 「労働者の募集及び採用に関する個々の求職者と事業主との間の紛争」もこの法律の対象となる。ただし、「募集及び採用」に関する事項についての紛争は、あっせんの対象とはなっていない。
【労働契約法】
最高裁の判例法理を法制化するなど、労働契約における民事的なルールを定め、個別労働関係紛争の解決根拠とすることを目的とする法律
問15 労働契約法2条2項の「使用者」とは、「労働者」と相対する労働契約の当事者であり、「その使用する労働者に対して賃金を支払う者」をいうが、これは、労働基準法10条の「使用者」と同義である。
答15 労働契約法2条2項の「使用者」は、労働基準法10条の「事業主」に相当するものであり、労働基準法の「使用者」より狭い概念である。(「広いか、狭いか」労働基準法との比較論点の一つですね。)
〔参考:労働基準法10条〕
この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者、その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。
【国民健康保険法】
健康保険等の被用者を対象とする医療保険制度に加入できない地域住民等を対象とする医療保険制度を定めた法律(公的医療保険のセイフティネットの役割を果たす。)
問16 保険医療機関等は療養の給付に関し、保険医及び保険薬剤師は国民健康保険の診療又は調剤に関し、厚生労働大臣又は市町村長の指導を受けなければならない。
答16 「厚生労働大臣又は市町村長」ではなく、「厚生労働大臣又は都道府県知事」である。(とにかくこの法律は、都道府県知事が大活躍します。)
【国民健康保険法】
問17 保険給付に関する処分又は保険料その他の徴収金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に審査請求をすることができる。
答17 「社会保険審査会」ではなく、「国民健康保険審査会」である。なお、国民健康保険審査会は、都道府県に置かれている。(後期高齢者医療は「後期高齢者医療審査会」、介護保険は「介護保険審査会」ですが、すべて共通の一審制(かつ、不服申立て前置)です。)
【高齢者医療確保法】
高齢期における適切な医療の確保を図るため、保険者による特定健康診査等の実施、前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整や後期高齢者医療制度を定めた法律
問18 後期高齢者医療広域連合は、後期高齢者医療に要する費用(財政安定化基金拠出金等の納付に要する費用等を含む。)に充てるため、保険料を徴収しなければならない。
答18 「後期高齢者医療広域連合は、」ではなく、「市町村は、」である。(一般常識(特に社会保険法令)のお得意技に「主語を代える」がありますが、その典型的な問題です。)
【高齢者医療確保法】
問19 後期高齢者医療に係る保険料率は、療養の給付等に要する費用の額の予想額、財政安定化基金拠出金等の納付に要する費用の予想額、国庫負担等に照らし、おおむね5年を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならない。
答19 「おおむね5年を通じ」ではなく、「おおむね2年を通じ」である。(後期高齢者医療は「2年」、介護保険は「3年」ごとに見直しを行います。)
【介護保険法】
要介護者等がその有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう、必要な介護サービス等を定めた法律
問20 第1号被保険者の保険料は、所得状況に応じて原則5段階となっているが、市町村の判断で6段階にすることも可能である。
答20 第1号被保険者の保険料は、所得状況に応じて原則「9段階」に分かれているが、市町村の判断で10段階以上の保険料を設定することができる。(「急(9)な階段(段階)介護が必要」です。)
【介護保険法】
問21 介護保険の給付費の50%は公費で賄われており、その内訳(一定のものを除く。)は、国が30%(調整交付金5%を含む。)で、都道府県と市町村がそれぞれ10%負担することとなっている。
答21 介護保険の給付費の50%は公費で賄われており、その内訳(一定のものを除く。)は、国が「25%(調整交付金5%を含む。)」で、都道府県と市町村がそれぞれ「12.5%」負担することとなっている。(「かいごのごー、50、25、5、12.5」ですね。)
【船員保険法】
船員法1条に規定する船員を対象とする医療保険制度と労災保険の保険給付の上乗せ給付等を定めた法律
問22 被保険者(疾病任意継続被保険者を除く。)が職務上の事由により行方不明となったときは、その期間、被扶養者に対し、行方不明手当金を支給するが、その支給を受ける期間は被保険者が行方不明となった日から起算して6か月を限度とする。
答22 「6か月」ではなく、「3か月」である。(行方不明手当金は、「死亡の推定」までのつなぎ給付だからです。)
【児童手当法】
中学校修了前の児童(児童の定義は、18歳年度末まで)を対象として、児童を養育している父母等に児童手当を支給することを定めた法律
問23 児童手当法の規定によると、被用者又は公務員でない自営業者等に対する児童手当に要する費用は、国が5分の3、都道府県及び市町村がそれぞれ5分の1ずつを負担する。
答23 国が「3分の2」、都道府県及び市町村がそれぞれ「6分の1」ずつを負担する。
【社会保険労務士法】
社会保険労務士が労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するため、その業務内容や規律について定めた法律
問24 社会保険労務士が、労働社会保険諸法令に違反する行為について指示をし、相談に応じ、その他これに類する行為をしたときは、罰則は科せられないが、社会保険労務士の信用又は品位を害するような行為に対しては罰則が科せられる。
答24 問題文前段の「不正行為の指示等の禁止」違反に対しては、最も重い罰則(3年以下の懲役又は200万円以下の罰金)が規定されているが、後段の「信用失墜行為の禁止」違反に対しては、罰則は規定されていない。(「残念(3年)捕まる(200万円)」不正行為の指示等の禁止違反に対する罰則は覚えておきましょう。)
【社会保険労務士法】
問25 社会保険労務士に対する懲戒処分は、戒告、3年以内の開業社会保険労務士等の業務停止及び失格処分である。
答25 「3年以内」ではなく、「1年以内」である。
【確定拠出年金法】
個人や事業主が拠出する掛金をもとに、個人が自己責任において運用した資産を年金として受け取る制度を定めた法律
問26 確定拠出年金法によると、個人型年金とは、企業年金連合会が同法第3章の規定に基づいて実施する年金制度をいう。
答26 「企業年金連合会」ではなく、「国民年金基金連合会」である。
【確定拠出年金法】
問27 企業型年金加入者は、自ら掛金を拠出することはできない。
答27 企業型年金加入者は、政令で定める基準に従い企業型年金規約で定めるところにより、年1回以上、定期的に、自ら掛金を拠出することができる。(いわゆる「マッチング拠出」のことですね。)
【確定給付企業年金法】
退職金を年金形式で支給する企業年金制度が確実に実施されるようその保護を図ることを目的とする法律
問28 確定給付企業年金法において「厚生年金保険の被保険者」とは、厚生年金保険法2条の5第1項に規定する第1号厚生年金被保険者、第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者をいう。
答28 確定給付企業年金法において「厚生年金保険の被保険者」とは、厚生年金保険法2条の5第1項1号に規定する「第1号厚生年金被保険者」又は同項4号に規定する「第4号厚生年金被保険者」をいう。(第2号厚生年金被保険者と第3号厚生年金被保険者は、「企業」にお勤めしていない?からですね。)
【確定給付企業年金法】
問29 確定給付企業年金法33条では「年金給付の支給期間及び支払期月は、政令で定める基準に従い規約で定めるところによる。ただし、終身にわたり、毎年1回以上定期的に支給するものでなければならない。」と定めている。
答29 「終身にわたり」ではなく、「終身又は5年以上にわたり」である。(「集(終)合(5)!毎年1回定期的に」って同窓会?)
【社会保険審査官・審査会法】
社会保険関係の不服申立てに係る社会保険審査官及び社会保険審査会に関する設置の根拠や共通ルールを定めた法律
問30 社会保険審査会は、委員9人をもって組織する。
答30 社会保険審査会は、委員長及び委員5人をもって組織する。(労働保険審査会(委員9人をもって組織)との比較論点です。なお、社会保険審査官の定数は、103人とされています。「ドレミ(103)の審査官」です。)
明日は、「法改正」問題を予定しています。