ステイホームワーク第6回(解答)

労働基準法
●みなし労働時間制
問51 事業場外労働のみなし労働時間制について、労使協定で定めた通常必要とされる時間が法定労働時間を超えない場合には、当該労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出る必要はない。
答51 〇 設問の労使協定については、当該労使協定で定める時間が法定労働時間(8時間)を超える場合にのみ行政官庁(所轄労働基準監督署長)に届け出なければならないこととされている。(法38条1項)
【コメント】
この労使協定については、あくまでも任意であることも併せて押さえておきましょう。

問52 専門業務型裁量労働制に係る労使協定には、1日及び1週間当たりの労働時間を定めなくてはならない。
答52 × 労使協定で定める時間は、その業務の遂行に必要とされる「1日当たり」の労働時間である。なお、労使協定によって定めたみなし労働時間が、1日8時間の法定労働時間を超える場合には、36協定の締結・届出も必要となる。(法38条の3、昭和63.3.14基発150号)
【コメント】
事業場外労働、企画業務型裁量労働制によるみなし労働時間についても同様です。

問53 専門業務型裁量労働制の採用に当たり、適用される労働者の同意を得ることについて労使協定で定める必要はない。
答53 〇 なお、企画業務型裁量労働制採用に当たっては、適用される労働者の同意を得ることについて労使委員会による決議を必要とする。(法38条の3)
【コメント】
専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制には、いくつかの比較論点があります。確認しておきましょう。

問54 企画業務型裁量労働制に係る労使委員会の決議は、行政官庁(所轄労働基準監督署長)に届け出なければならないが、届出をしないからといって、企画業務型裁量労働制の効力発生に影響するものではない。
答54 × 設問の労使委員会の決議は、所定の様式により、所轄労働基準監督署長に届出をしなければならず、この届出を行わなければ企画業務型裁量労働制の効力は発生しない。(法38条の4第1項、平成12.1.1基発1号)
【コメント】
企画業務型裁量労働制の導入については、対象業務(企画、立案、調査及び分析の業務)が明確に限定されていないため、使用者の濫用を防止する観点から「届け出て初めて効力が発生する」とことしています。

問55 法38条の4第1項に定める労使委員会は、企画業務型裁量労働制の実施に関する決議のほか、労働時間、休憩及び年次有給休暇に関する労働基準法上の労使協定に代替する決議を行うことができるものとされている。
答55 〇 具体的には、労働基準法で定める14の労使協定のうち、任意貯金に関する労使協定及び賃金の一部控除に関する労使協定を除く12の労使協定について、労使委員会の決議で代替することができる。(法38条の4第5項)
【コメント】
「引き金」以外ですね。(任意貯金も賃金の一部控除もお給料から引くお金です。)

●変形労働時間制
問56 1か月単位の変形労働時間制を採用した場合、変形期間を平均し1週間当りの労働時間が週法定労働時間以内となるようにするために行う変形期間における所定労働時間の総枠の計算は、「その事業場の週法定労働時間×変形期間の労働日数÷7」とされている。
答56 × 設問中の式は、「その事業場の週法定労働時間×変形期間の暦日数÷7」である。(平成9.3.25基発195号)
【コメント】
1か月単位の変形労働時間制は、労使協定又は就業規則その他これに準ずるものにより、「1か月以内の期間を平均して、1週間の労働時間を法定労働時間(40時間、特例事業の場合は44時間)以内にすることを要件とするものです。

問57 フレックスタイム制を採用するためには、使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業又は終業の時刻をその労働者の決定に委ねることとしなければならない。
答57 × 「始業又は終業の時刻」ではなく、「始業及び終業の時刻」である。(法32条の3第1項)
【コメント】
フレックスタイム制は、別名「自由出勤制」といいます。つまり、「いつ来て、いつ帰ってもよい」ということです。よかもんじゃ。

問58 1年単位の変形労働時間において、1日の労働時間の限度は10時間、1週間の労働時間の限度は52時間とされている。
答58 〇 なお、対象期間が3か月を超えるときは、次のいずれにも適合しなければならないこととされている。
① 対象期間において、その労働時間が48時間を超える週が連続する場合の週数が3以下であること。
② 対象期間をその初日から3か月ごとに区分した各期間(3か月未満の期間を生じたときは、当該期間)において、その労働時間が48時間を超える週の初日の数が3以下であること。
(法32条の4第3項、即12条の4第4項)
【コメント】
「一麺変形・豚(10)骨(52)ラーメン」ですね。

問59 1週間単位の非定型的変形労働時間制では、緊急でやむを得ない事由がある場合には、あらかじめ通知した労働時間を変更しようとする日の前日までに書面により労働者に通知することで、当初の労働時間を変更することができる。
答59 〇 突発事項に対応できるようにするために設問の規定が設けられている。なお、緊急でやむを得ない事由がある場合とは、使用者の主観的な必要性でなく、台風の接近、豪雨等の天候の急変等客観的事実により、当初想定した業務の繁閑に大幅な変更が生じた場合が該当する。(則12条の5)
【コメント】
1か月単位と1年単位の変形労働時間制は、原則として「一度決めたらそのとおり」にしなければなりませんが、1週間単位の変形労働時間制には設問の例外があります。

問60 1週間単位の非定型的変形労働時間制は、日ごとの業務に著しい繁閑の差が生じることが多い小売業、旅館、料理店及び飲食店で、常時使用労働者数が10人未満の事業を対象とする。
答60 × 「10人未満」ではなく、「30人未満」である。なお、1週間単位の非定型的変形労働時間制は、労使協定を締結することにより、1週間の各日の労働時間を事前に通知することで、1日8時間を超え10時間(1週の労働時間は40時間が限度)まで労働させることができる制度である。(法32条の5、則12条の5)
【コメント】
「30歳になるまでに(30人未満)、1週間くらい小(小売)さな旅(旅館)をして食べたり(料理)飲(飲食)んだりしたいなぁ」です。なお、1か月単位の変形労働時間制、フレックスタイム制、1年単位の変形労働時間制には、業種や事業規模の要件はありません。