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〔復習問題17〕

公的年金制度は、予測することができない将来のリスクに対して、社会全体であらかじめ備えるための制度であり、現役世代の保険料負担により、その時々の高齢世代の年金給付をまかなう世代間扶養である A を基本とした仕組みで運営されている。賃金や物価の変化を年金額に反映させながら、生涯にわたって年金が支給される制度として設計されており、必要なときに給付を受けることができる保険として機能している。〔…中略…〕

また、公的年金制度の給付の状況としては、全人口の約3割にあたる4,040万人(2019年度末)が公的年金の受給権を有している。高齢者世帯に関してみれば、その収入の約 B 割を公的年金等が占めるとともに、約 C 割の世帯が公的年金等による収入だけで生活しており、年金給付が国民の老後生活の基本を支えるものとしての役割を担っていることがわかる。

 

A ① 積立方式 ② 賦課方式 ③ 扶助方式 ④ 共助方式

B ① 5 ② 6 ③ 7 ④ 8

C ① 3 ② 4 ③ 5 ④ 6

 

18.年金制度では、少なくとも5年に1度、将来の人口や経済の前提を設定した上で、長期的な年金財政の見通しやスライド調整期間の見通しを作成し、年金財政の健全性を検証する「財政検証」を行っている。2004(平成16)年改正以前は、給付に必要な保険料を再計算していたが(「財政再計算」と呼ぶ)、2004年改正により、保険料の上限を固定し、給付水準の自動調整を図る仕組みの下で年金財政の健全性を検証する現在の財政検証へ転換した。

2019(令和元)年財政検証では、幅の広い6ケースの経済前提を設定し、どのような経済状況の下ではどのような年金財政の姿になるのかということを幅広く示すことで、年金制度にとって何が重要なファクターなのか、また、持続可能性や年金水準の確保のためにどのような対応があり得るのかなど、様々な議論のベースを提供できる検証作業となるよう留意した。こうした財政検証の結果、経済成長と労働参加が進むケースでは、今の年金制度の下で、将来的に所得代替率50%の給付水準が確保できることが確認された。(令和3年版厚生労働白書)

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