令和6年度社会保険労務士試験・選択式「短評」
この解答は、速報段階(令和6年8月26日午前9時30分現在)のものであり、後日変更する場合があります。また、試験機関による解答について保証するものではありません。
なお、以下にある「平易・普通・難問」の表記は、過去の本試験を基準に機械的に分類しているものです。
〔問1〕労働基準法及び労働安全衛生法
A〔平易〕⑩ 児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで(労働基準法56条1項)テキストP93
B〔平易〕⑨ 指揮命令下(最判平成12.3.9三菱重工業長崎造船所事件)テキストP50
C〔普通〕⑬ 自由な意思に基づく(最判昭和48.1.19シンガー・ソーイング・メシーン事件)テキストP44
D〔普通〕⑱ フォークリフト(労働安全衛生法45条、令15条)テキストP158
E〔平易〕⑰ 遅滞なく(労働安全衛生規則97条)テキストP190
【短評】
A、B、Eは、基本事項からの出題で平易。Cは、択一式で過去に数回問われている論点で普通。Dは細かいところからの出題でやや難問。A、B、Eを確実に得点して、3点は確保できる。
〔問2〕労働者災害補償保険法
A〔平易〕⑤ 8(労働者災害補償保険法施行規則14条3項)テキストP233
B〔平易〕② 5(労働者災害補償保険法施行規則14条3項)テキストP233
C〔平易〕⑰ 月の翌月(労働者災害補償保険法9条1項)テキストP257
D〔平易〕⑩ 自己(労働者災害補償保険法11条1項)テキストP256
E〔難問〕⑳ 被扶養利益の喪失(最判平成27.3.4フォーカスシステムズ事件)過去問題集P351
【短評】
A~Dは、基本事項からの出題で平易。Eは判例からの出題でやや難問だが、前後の文章と選択肢のグルーピングによって正解することは可能。4点は確保できる。
〔問3〕雇用保険法
A〔平易〕② 一般被保険者又は高年齢被保険者であるとき(雇用保険法61条の8第1項)テキストP366
B〔平易〕② 2(雇用保険法61条の8第2項)テキストP366
C〔平易〕③ 28(雇用保険法61条の8第2項)テキストP366
D〔難問〕④ 120(雇用保険法24条の2第1項、3項)テキストP321
E〔普通〕③ 雇用保険法の適用除外(雇用保険法6条)テキストP298~300
【短評】
A~Cは、基本事項からの出題で平易。Dは細かいところの数字を問う問題でやや難問。Eは冷静に読み解けば、正解することは可能。3点は確保できる。
〔問4〕労務管理その他の労働に関する一般常識
A〔難問〕⑭ 拘束時間、休息期間(令和5年版厚生労働白書P177)
B〔普通〕③ 45.8%(労働力調査(基本集計)令和5年平均)
C〔平易〕⑪ 規範(最判平成8.3.26朝日火災海上保険(高田)事件)テキストP57
D〔普通〕⑨ 著しく不合理である(最判平成8.3.26朝日火災海上保険(高田)事件)第2回模擬試験解説資料P3
E〔平易〕⑧ 1年(男女雇用機会均等法9条4項)テキストP43
【短評】
Aは、白書からの出題で難問。Bは、統計からの出題でやや難だが、労働力人口等の基本知識や一般的な常識から推定することは可能。CとDは、判例からの出題だが、Cは、法令知識で正解することが可能。Dはやや難問。Eは、基本事項で平易。CとEを確実に得点し、全体として何とか3点を確保したい。
〔問5〕社会保険に関する一般常識
A〔難問〕⑧ 100%(令和4年国民生活基礎調査の概況)
B〔難問〕② 18.9(令和3年度介護保険事業状況報告(年報))
C〔平易〕⑱ 社会保障及び国民保健の向上(国民健康保険法1条)テキストP90
D〔平易〕⑫ 共同連帯(高齢者医療確保法1条)テキストP98
E〔平易〕⑲ 費用負担(高齢者医療確保法1条)テキストP98
【短評】
AとBは、細かい調査からの出題で難問。(Bは、高齢化率等の基本知識から推定することは可能。)C~Eは、選択式出題確率の高いところからの出題で平易。C~Eを確実に得点して、3点は確保できる。
〔問6〕健康保険法
A〔難問〕⑤ 患者に対する情報提供を前提として(令和4.3.4保医発0304第5号)テキストP63(未記載)
B〔平易〕⑩ 資格を取得した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)(健康保険法106条)テキストP87
C〔平易〕⑮ 被扶養者(健康保険法111条1項)テキストP76
D〔平易〕③ 家族訪問看護療養費(健康保険法111条1項)テキストP76
E〔平易〕④ 家族療養費(健康保険法111条2項)テキストP76
【短評】
Aは、見慣れない行政通達からの出題で難問。B~Eは、基本事項からの出題で平易。できれば4点を確保したい。
〔問7〕厚生年金保険法
A〔平易〕⑰ 費用(厚生年金保険法80条2項)テキストP336
B〔平易〕② 150万円(厚生年金保険法24条の4第1項)テキストP263
C〔平易〕⑫ 脱退一時金(厚生年金保険法附則29条9項)テキストP271
D〔平易〕⑭ 当該初診日から起算して5年(厚生年金保険法58条1項)テキストP312
E〔普通〕⑨ 乙のみが行うことができる(厚生年金保険法52条7項)テキストP307
【短評】
A~Dは、基本事項からの出題で平易。Eは、事例問題だが、冷静に読み解けば正解できる。4点は確保できる。
〔問8〕国民年金法
A〔平易〕③ 市町村(特別区を含む。)(国民年金法92条の3第1項)テキストP211
B〔普通〕⑨ 適正かつ確実に実施する(国民年金法92条の3第1項)テキストP211
C〔平易〕⑫ 納付受託者(国民年金法92条の4第1項)テキストP210
D〔平易〕② 婚姻をしていない(国民年金法37条の2第1項)テキストP188
E〔平易〕⑯ 配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹(国民年金法52条の3第1項)テキストP200
【短評】
A~Cは、保険料の納付受託者からの出題だが、AとCは平易、Bはやや難問。DとEは基本事項からの出題で平易。できれば4点を確保したい。
【全体講評】
全体的に基本事項を問うものが多く、難問の偏りもないため、全体としては「やや易しい」レベル。科目別では、「労務管理その他の労働に関する一般常識」が確実に3点確保することが難しい問題であった。合計点の合格ラインは、26点と予想する。