令和6年度本試験・解答公表を受けて(解答速報の訂正等)

10月2日の合格発表に合わせて、本試験の解答が公表されました。

この中で、当受験講座の解答速報と異なる結果となったものが、2か所ありましたので、以下、これについて、解説をいたします。(本試験の解答については、「解答根拠」が示されないため、あくまでも当受験講座の見解として記すものです。)

1.択一式・労災保険法・問6(誤りを一つ選ぶ問題)

当受験講座の解答速報では「C」を正解としましたが、公表では「C・D」の複数正解とされました。

〔Dの問題〕

海外派遣者として特別加入している者の赴任途上及び帰任途上の災害については、当該特別加入に係る保険給付は行われない。

〔解説〕

海外派遣者の特別加入制度に係る基本通達(昭和52.3.30発労徴21号・基発192号)の一部に基づく出題であるが、この部分については、その後の通達(平成3.2.1基発75号)によって削除されているため、「誤り」となる。(作問に当たって、改正通達を見落としていたものと思われる。)

2.択一式・雇用保険法・問4(誤りを一つ選ぶ問題)

当受験講座の解答速報では「D」を正解としましたが、公表では「C」が正解とされました。

〔Cの問題〕

雇用する労働者が退職勧奨に応じたことで離職したことにより被保険者でなくなった場合、事業主は、離職証明書及び当該退職勧奨により離職したことを証明する書類を添えて、その事業所の所在地を管轄する公共職業安定所長に雇用保険被保険者資格喪失届を提出しなければならない。

〔解説〕

設問の場合、雇用保険法施行規則7条1項2号により、雇用保険被保険者資格喪失届に添えなければならない書類として、①労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳その他の当該適用事業に係る被保険者でなくなったことの事実及びその事実のあった年月日を証明することができる書類、②雇用保険被保険者離職証明書、③退職勧奨により離職したことを証明する書類とされているが、このうち、①の書類に関する記述がないため、「誤り」としたものと思われる。

ただし、設問Aにもあるとおり、離職時の年齢が59歳未満であり、雇用保険被保険者離職票の交付を希望しないときは、②の雇用保険被保険者離職証明書を添付する必要はなく、また、実務上は、退職勧奨の場合、③の書類の添付がなくとも受理することができるとする取扱いがあるため、依然として疑義が残る問題である。

※結果として正しい肢とされた「D」の問題について

行政手引50206及び雇用保険に係る不服申立て及び訴訟に関する業務取扱要領にそぐわない内容(出題根拠が曖昧)となっているため、明確に「正しい」とするには、依然として疑義が残る問題である。