週間「超ミニ本試験」第3回/⑤解答・解説

【健康保険法】

1.2以上の適用事業所の事業主が同一である場合には、当該事業主は、厚生労働大臣に届け出て、当該2以上の事業所を一の適用事業所とすることができる。

× 「厚生労働大臣に届け出て」ではなく、「厚生労働大臣の承認を受けて」である。(法33条)テキストP31

2.全国健康保険協会管掌健康保険における夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定については、年間収入の多い方の被扶養者とすることとされており、年間収入の少ない方の被扶養者とすることはできない。

× 夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の「1割以内」である場合は、被扶養者の地位の安定を図るため、届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とすることとされている。したがって、この要件に該当すれば、年間収入の少ない方の被扶養者とすることができる。(令和3.4.30保保発2号・保国発1号)テキストP41

3.健康保険組合の組合会は、理事長が招集することとされているが、組合会議員の定数の4分の3以上の者が会議に付議すべき事項及び招集の理由を記載した書面を理事長に提出して組合会の招集を請求したときは、理事長は、その請求のあった日から20日以内に組合会を招集しなければならない。

× 「4分の3以上」ではなく、「3分の1以上」である。(令7条)テキストP25(未記載)

「サイン(3分の1)はV(20)で」「消臭(招集)」(理事会はオヤジ臭いぞ!?)

4.全国健康保険協会管掌健康保険に加入している事業所で、賞与の支払が同一の月に2回に分けて行われた場合、それぞれの賞与の支払日から5日以内に、健康保険被保険者賞与支払届を日本年金機構に提出しなければならない。

× 設問の場合、その合算額について、最後の賞与支給日から5日以内にまとめて提出して差し支えないこととされている。(則27条1項)テキストP110(一部未記載)

5.患者申出療養に係る申出は、厚生労働大臣の定めるところにより、厚生労働大臣に対し、当該申出に係る療養を行う医療法4条の3に規定する臨床研究中核病院(保険医療機関であるものに限る。)の開設者の意見書その他必要な書類を添えて行うものとする。

〇 なお、「臨床研究中核病院」とは、高度に専門的な知識や経験が要求される等実施に困難を伴う治験(医薬品や医療機器の製造販売に関して、医薬品医療機器等法上の承認を得るために行われる臨床試験)等を計画・実施できる専門部門及びスタッフを有し、基盤が整備された病院をいう。(法63条第4項)テキストP64

「カ(患者)モ(申出)リ(臨床)ケ(研究)中(中核病院)」

6.被保険者が故意の犯罪行為によって重症を負い、入院治療を受けた後、死亡した場合、療養の給付の対象とならないが、埋葬料の支給対象となる。

〇 死亡は絶対的自己であるため、設問のような場合であっても、埋葬料の対象となる。(法100条、昭和36.7.5保険発63号)テキストP73、17

7.全国健康保険協会管掌健康保険においては、出産に係る当座の費用に充てるため、出産育児一時金又は家族出産育児一時金の支給までの間、出産育児一時金又は家族出産育児一時金の支給額の8割相当額を限度として、資金を無利子で貸し付ける出産費貸付制度が実施されている。

〇 貸付対象者は、全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者又は被扶養者の出産に係る出産育児一時金又は家族出産育児一時金の支給が見込まれる者のうち、次の①又は②に該当する者である。

① 出産予定日まで1月以内の者

② 妊娠4か月(85日)以上の者で、医療機関等に一時的な支払を要する者

(平成13.6.15庁文発1102号)テキストP11(未記載)

「お金貸してくれるの?」「や~、わり(8割)ーね」

8.70歳未満の被保険者又は被扶養者が受けた療養について、高額介護合算療養費を算定する場合、同一医療機関等で同一月内の一部負担金等の額が21,000円未満のものは、その算定対象から除かれる。

〇 (法115条の2、令43条の2)テキストP83

9.被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者の配偶者が被保険者の資格を喪失した日後6月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった家族出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。

× 被扶養者に関しては、資格喪失後の出産に関する給付は行われない。死亡に関する給付についても同様である。(法106条)テキストP87

10.法定給付を受けて入院している患者に対して、健康状態の回復を目的とした栄養補給金を支給することは、健康保険法の目的と合致するものであり、健康保険組合における付加給付として認められる。

× 付加給付については、健康保険法に規定する保険事故の範囲を超えての給付は認められていないため、設問のような栄養補給金の支給をしてはならないこととされている。(法53条、健康保険組合運営基準)テキストP12