週間「超ミニ本試験」第5回/①解答・解説
【労働基準法】
1.法5条は、使用者が労働者に強制労働をさせることを禁止しているが、このときの使用者と労働者との労働関係は、必ずしも形式的な労働契約により労働関係が成立していることを要求するものではなく、当該具体例において事実上労働関係が存在すると認められる場合であれば足りるとされている。
〇 (法5条、昭和23.3.2基発381号)テキストP15(一部未記載)
2.賃金が、労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60に相当する金額をその者の平均賃金とする。
× 設問の算定方法によって算出された金額と原則どおり算出した金額を比べて高い方の金額が、その者の平均賃金となる。(法12条1項)テキストP41
3.使用者は、労働契約の締結において、労働契約の不履行について違約金を定めることはできないが、労働者が不法行為を犯して使用者に損害を被らせる事態に備えて、一定金額の範囲内で損害賠償額の予定を定めることはできる。
× 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償を予定する契約をしてはならない。なお、損害賠償の金額をあらかじめ約束せず、実際に生じた損害について賠償を請求することは禁止されていない。(法16条)テキストP26
4.1週間の労働時間の上限は、原則として、40時間とされているが、商業、映画の製作を除く映画・演劇業、保健衛生業及び接客娯楽業の事業については、44時間とされている。
× 週の法定労働時間が44時間とされるのは、設問の事業であって、常時10人未満の労働者を使用するものに限られる。(則25条の2第1項)テキストP49
5.就業規則に実労働時間を1週38時間と定めたときに、1週38時間を超え1週間の法定労働時間まで労働時間を延長する場合でも、各日の労働時間が8時間を超えない限り、36協定を締結する必要はない。
〇 (法36条1項、昭和23.4.28基発1497号)テキストP75
6.使用者は、その事業場に、同時に採用され、6か月間継続勤務し、法39条所定の要件を満たした労働者X(勤務形態は、1日の所定労働時間4時間、1週間の所定労働日数5日)と労働者Y(勤務形態は、1日の所定労働時間10時間、1週間の所定労働日数3日)がいる場合、前者に対しては、後者より多くの日数の年次有給休暇を付与しなければならない。
× いわゆる比例付与の対象となるのは、「週所定労働時間数が30時間未満の者であって、かつ、週所定労働日数が4日以下」の者である。設問の労働者は、いずれもこの要件には該当しないため、両者とも同じ日数(10労働日)の年次有給休暇を付与しなければならない。(法39条1項~3項、則24条の3)テキストP86~87
「味噌(30)カツ(かつ)、よ(4)~太る(216)」(もちろん、ヒレ(比例)カツです。)
7.就業規則に添付した意見書の内容が、当該規則に全面的に反対するものであると、特定部分に関して反対するものであるとを問わず、又はその反対事由の如何を問わず、その効力の発生についての他の要件を具備する限り、就業規則の効力には影響がない。
〇 (昭和24.3.28基発373号)テキストP107
【労働安全衛生法】
8.都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる。
〇 当該事業場の労働災害の発生率が他の同種、同規模の事業場と比べて高く、それが総括安全衛生管理者の不適切な業務執行に基づくものであると考えられる場合等に設問の勧告が行われる。(法10条3項)テキストP132
9.事業者が、法59条3項の特別教育を企業外で行われる講習会等に労働者を参加させることにより行う場合には、それに要する講習会費、講習旅費等については、事業者が負担することが望ましいが、当然には事業者が負担すべきものではない。
× 特別教育を企業外で行われる講習会等に参加させることにより行う場合には、それに要する講習会費、講習旅費等については、事業主が負担すべきものとされている。(法59条3項、昭和48.3.19基発145号)テキストP167
10.産業医は、長時間労働に関する面接指導の対象となる労働者の要件に該当する労働者に対して、面接指導の申出を行うよう指導することができる。
× 「指導」ではなく、「勧奨」である。(則52条の3)テキストP180
「面接指導を」「受けないかんしょ(勧奨)」