週間「超ミニ本試験」第9回/④解答・解説
1.使用者は、その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないように注意する義務を負う、とするのが最高裁判所の判例である。
〇 労働者の過労自殺に対する使用者の安全配慮責任について争われた事案に係る判例である。(労働契約法5条、最判平成12.3.24「電通事件」)テキストP19~20
2.短時間・有期雇用労働法において、事業主は、通常の労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設であって、健康の保持又は業務の円滑な遂行に資するものとして厚生労働省令で定めるものについては、その雇用する短時間・有期雇用労働者(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者を除く。)に対しても、利用の機会を与えるように努めなければならないと定めている。
× 「利用の機会を与えるように努めなければならない」ではなく、利用の機会を与えなければならない」である。なお、ここでいう「福利厚生施設」とは、給食施設、休憩室及び更衣室をいう。(短時間・有期雇用労働法12条)テキストP51
3.男女雇用機会均等において、法妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、その理由の如何を問わず、無効となると定めている。
× 妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とされる。ただし、妊娠又は出産に関する事由を理由とする解雇でないことを事業主が証明したときは、この限りでない。(男女雇用機会均等法9条)テキストP53
4.育児・介護休業法において、出生時育児休業とは、原則として、育児休業のうち、子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日までの期間内に30日以内の期間を定めてする休業をいうと定めている。
× 「30日以内の期間」ではなく、「4週間(28日)以内の期間」である。なお、労働者は、その養育する子について、事業主に申し出ることにより、2回を上限として、取得日数が28日に達するまで、出生時育児休業をすることができる。(2回取得する場合は、まとめて申し出る必要がある。)(育児・介護休業法9条の2)テキストP56
5.高年齢者雇用安定法において、高年齢者雇用確保措置に係る継続雇用制度には、当該高年齢者をその退職後に特殊関係事業主(いわゆるグループ企業)が引き続いて雇用する制度は含まれないものとされている。
× 高年齢者雇用確保措置に係る継続雇用制度には、当該高年齢者をその退職後に特殊関係事業主(いわゆるグループ企業)が引き続いて雇用する制度は含まれるものとされている。(高年齢者等雇用安定法9条)テキストP43
6.社会保険労務士法において、懲戒処分により社会保険労務士の失格処分を受けた者で、その処分を受けた日から5年を経過しないものは、社会保険労務士となる資格を有しないものとされている。
× 「5年」ではなく、「3年」である。(社会保険労務士法5条)テキストP136
7.国民健康保険法において、都道府県は、被保険者の資格の取得及び喪失に関する事項、国民健康保険の保険料の徴収、保健事業の実施その他の国民健康保険事業を適切に実施するものとすると定めている。
× 「都道府県は、」ではなく、「市町村は、」である(国民健康保険法4条)テキストP91
8.高齢者医療確保法において、後期高齢者医療広域連合は、後期高齢者医療に要する費用(財政安定化基金拠出金その他の拠出金の納付に要する費用を含む。)に充てるため、保険料を徴収しなければならないと定めている。
× 保険料の徴収は、「後期高齢者医療広域連合」ではなく、「市町村」が行う。(高齢者の医療の確保に関する法律104条1項)テキストP104
9.介護保険法において、介護保険第1号被保険者は、その介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病(特定疾病)によって生じたものであるものに限り、保険給付を受けることができると定めている。
× 「介護保険第1号被保険者」ではなく、「介護保険第2号被保険者」である。なお、介護保険第1号被保険者については、設問のような要件は付されていない。(介護保険法7条)テキストP112
10.確定給付企業年金法において、規約において、20年を超える加入者期間を老齢給付金の給付を受けるための要件として定めてはならないと定めている。
〇 したがって、規約において、例えば「25年の加入者期間がなければ老齢給付金を支給しない。」とすることはできない。(確定給付企業年金法36条3項)テキストP124