Pickup白書13(令和7年版厚生労働白書)

・介護保険制度の現状と目指す姿

2000(平成12)年4月に社会全体で高齢者介護を支える仕組みとして創設された介護保険制度は2025(令和7)年で26年目を迎えた。

介護保険制度は着実に社会に定着してきており、介護サービスの利用者は2000年4月の149万人から2024(令和6)年4月には528万人と約3.5倍になっている。あわせて介護費用も増大しており、2000年度の約3.6兆円から、2023(令和5)年度には約11.7兆円となり、高齢化が更に進行する2040(令和22)年には約25.8兆円になると推計されている。また介護費用の増大に伴い、制度創設時に全国平均3,000円程度であった介護保険料は、第9期介護保険事業計画期間(2024年度から2026(令和8)年度)においては、全国平均6,225円になっており、2040年には約9,200円になると見込まれている。

また、いわゆる団塊ジュニア世代の全員が65歳以上となる2040年頃を見通すと、85歳以上人口が急増し、認知機能が低下した高齢者や要介護高齢者が更に増加する一方、生産年齢人口が急減することが見込まれている。

さらに、都市部と地方では高齢化の進み方が大きく異なるなど、これまで以上にそれぞれの地域の特性や実情に応じた対応が必要となる中で、このような社会構造の変化や高齢者のニーズに応えるために、「地域包括ケアシステム」の深化・推進を目指している。